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電気通信大学は、ICTおよび関連する諸分野における研究実績は極めて顕著なものがあり、それぞれの研究活動を通して、大学院生や助教クラスの人材育成を積極的に図っています。電気通信大学は、ICTおよび関連する諸分野における研究実績は極めて顕著なものがあり、それぞれの研究活動を通して、大学院生や助教クラスの人材育成を積極的に図っています。
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若手研究者の紹介

プロフィール

向山 敬
Takashi Mukaiyama
e-mail: mukails.uec.ac.jp

URL:

http://www.ils.uec.ac.jp/~muka/index.html
職名/Position Title: 特任准教授
  Associate Professor

研究分野/Research Field: 量子エレクトロニクス
  quantum electronics

キーワード/Keywords: レーザー冷却
極低温原子気体
量子縮退
超流動
  laser cooling
ultracold atomic gas
quantum degenerate system
superfluidity

学歴:
(大学卒以降)
1997年3月 東京大学工学部応用物理学科卒業
1999年3月 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士前期課程修了
2002年3月 東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士前期課程修了

職歴:
2002年4月  ERATO五神共同励起プロジェクト非常勤技術員
2002年5月〜2004年3月  Massachusetts Institute of Technology, Postdoctoral research associate
2004年4月〜2006年3月  東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻助手
2006年4月〜2011年3月  ERATO上田マクロ量子制御プロジェクト  強相関量子制御グループリーダー
2009年5月〜現在  電気通信大学 先端領域教育研究センター 特任准教授

主な研究業績:
 【受賞】

日本物理学会若手奨励賞 2009年3月
文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞 2010年4月 
 【Recent  publication】
  • Takuya Nakasuji, Jun Yoshida, and Takashi Mukaiyama
    “Experimental determination of p-wave scattering parameters in ultracold 6Li atoms” Physical Review A 88, 012710 (2013).
  • Shinsuke Haze, Sousuke Hata, Munekazu Fujinaga, and Takashi Mukaiyama
    “Observation of Elastic Collisions between Lithium Atoms and Calcium ions” Physical Review A 87, 052715 (2013).
  • Shinsuke Haze, Sousuke Hata, Munekazu Fujinaga, and Takashi Mukaiyama
    “Auto-relock system for a bow-tie cavity for second harmonic generation” Review of Scientific Instruments 84, 026111 (2013).
  • S. Nakajima, M. Horikoshi, T. Mukaiyama, P. Naidon and M. Ueda,
    “Measurement of an Efimov Trimer Binding Energy in a Three-Component Mixture of 6Li”
    Physical Review Letters 106, 143201 (2011).
  • S. Nakajima, M. Horikoshi, T. Mukaiyama, P. Naidon and M. Ueda, “Nonuniversal Efimov Atom-Dimer Resonances in a Three-Component Mixture of 6Li”
    Physical Review Letters 105, 023201 (2010).
  • M. Horikoshi, S. Nakajima, M. Ueda, and T. Mukaiyama,
    “Measurement of Universal Thermodynamic Functions for a Unitary Fermi Gas”
    Science 327, 442 (2010).
  • Y. Inada, M. Horikoshi, S. Nakajima, M. Kuwata-Gonokami, M. Ueda, andT. Mukaiyama,
    “Collisional Properties ofp-Wave Feshbach Molecules”
    Physical Review Letters 101, 100401 (2008).
  • Y. Inada, M. Horikoshi, S. Nakajima, M.Kuwata-Gonokami, M. Ueda, and T. Mukaiyama,
    “Critical Temperatureand Condensate Fraction of a Fermion Pair Condensate”
    Physical Review Letters 101, 180406 (2008).
  • K. Xu, Y. Liu, J. R. Abo-Shaeer, T. Mukaiyama, J. K. Chin, D. E.Miller, W. Ketterle, K. M. Jones, and E. Tiesinga,
    “Sodium Bose-EinsteinCondensates in an Optical Lattice”
    Physical Review A 72, 043604 (2005).
  • J.R. Abo-Shaeer, D.E. Miller, J.K. Chin, K. Xu, T. Mukaiyama,and W. Ketterle, “Coherent Molecular Optics using Sodium Dimers”
    Physical Review Letters 94, 040405 (2005).
  • T. Mukaiyama, J. R. Abo-Shaeer, K. Xu, J. K. Chin, and W.Ketterle, “Dissociation and Decay of Ultracold Sodium Molecules”
    Physical Review Letters 92, 180402 (2004).
  • K. Xu, T.Mukaiyama, J. R. Abo-Shaeer, J. K. Chin, D.E. Miller, and W. Ketterle,
    “Formation of Quantum-DegenerateSodium Molecules”
    Physical Review Letters 91, 210402 (2003).
  • T. Mukaiyama, H. Katori, T. Ido, Y. Li, and M. Kuwata-Gonokami,
    “Recoil-Limited Laser Cooling of 87Sr Atoms near the FermiTemperature”,
    Physical Review Letters 90, 113002 (2003).
研究内容:  冷却中性原子は電気的に中性であるために電子系に比べて格段に相互作用が弱く,超伝導など量子凝 縮系の理論の構築,検証に非常に有用な系です。特に近年では,原子間相互作用が外部磁場によって 変調できるという他の粒子系に見られない性質(フェッシュバッハ共鳴)が見出され、大変注目され ています。この性質を利用すると,原子間相互作用の強い系から弱い系,さらには斥力相互作用から引力相互作用まで様々な系が外部から加える磁場強度を制御するだけで実現できます。その他にも原子の数や密度、系の次元、粒子の統計性(ボソンかフェルミオンか)、などの条件を比較的容易に変えることができ、しかもこれらの条件のいくつかは時間的に変化させることも容易なことから系のダイナミクスを理解する上でも非常に有用な高い自由度を持った系であると言えます。そして現在その高い制御性を利用してボーズ凝縮体の原子間引力相互作用による崩壊過程の検証やソリトン伝搬,分子状態の生成からBEC-BCSクロスオーバーといった興味深い実験が次々となされています。今後,原子の量子凝縮系が低温物理学や量子物性物理学で長年議論されている多体量子系の物理を展開する大きなフィールドのひとつになるのは間違いないと思います。
 具体的には、この研究では量子相関が系の状態に強く影響を与える系(強相関系)の物理を光トラップ中の極低温フェルミ同位体原子のダイナミクスを観測することで明らかにすることを目指しています。マイクロケルビン以下の極低温の温度領域まで冷却されたトラップ中のフェルミ原子気体はペアを形成し超流動を示します。そのとき、原子の相互作用の強さや符号に応じて2原子分子によるBEC相やいわゆるクーパーペアが重要な役割を果たすBCS相と行った相が現れ、また軌道角運動量の異なるペアを形成することでs波やp波の超流動相を実現することも可能となるでしょう。実際、上述のフェッシュバッハ共鳴を利用すると超流動相が持つ性質がBEC的なものからBCS的なものへクロスオーバーする様子を実験的に観測することができます。BCS-BECクロスオーバーは固体物理では高温超伝導体、高エネルギー物理ではクオークグルーオンプラズマというように、同じ物理により生じる現象が他の系にも存在することで知られており、極めて一般的で普遍的な現象として広く興味を持たれている現象です。また、p波超流動は3Heや一部の超伝導体で見られる回転の自由度を持ったフェルミ原子のペアであり、その超流動相の物性は未解明の部分が残っています。実験条件の高い自由度と相互作用の記述の精度の高さを持つ冷却原子系でp波超流動実現することができれば、異なる超流動相間の相転移が見られるような非常に複雑な3Heの物性の理解の助けになるかもしれません。本研究では冷却原子系の高い自由度を生かして、さまざまな超流動現象の解明を可能にする実験系の構築を目指します。

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